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相談員は少しずつ増えてきていたから、時々は私以外の人が彼女と話してはいた。
けれど、他の人には、私とは違い、現実での生活や仕事がある。
だから、時間は限られていた。
彼女からは、目を離すことができなかった。
目を離せば、身体を傷つけてしまう。
死んでしまう。
会話をすることで、彼女のその衝動は、幾分か紛れるようだったから、私はできる限りの時間を割いた。
徹夜したこともあった。
食事をする時間さえ惜しんだ。
私は病人で、本当なら自分の身体の回復に、全力を注がねばならないことは、わかっていた。
重度の睡眠障害を持つ私は、夜はきちんと決まった時間に薬を飲み布団へ入らなければならなかった。
けれど、深夜には私しか彼女の相手をできる人がいない。
話し相手がいなければ、彼女は衝動を抑えることができない。
私は共依存に、操られていた。
支配されつつあった。
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