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私がモバ禁止令によって、彼女から離れることを告げると、彼女は寂しそうにするどころか、むしろ安心したようだった。
彼女は、人に迷惑をかけることを極端に嫌う性格。
私の無理にも、当然気付いていた。
彼女が私を拘束していたのではない。
私が彼女に依存し、苦しめていたのだ。
体調も睡眠リズムもガタガタに崩していた私は、とにかく休んだ。
恋人の指示通り、回復に専念した。
けれど、今思えば、そのことすら自分のためではなかった。
ただ、復帰したい一心。
恋人からのOKをもらうため。
当時の私には、はっきりとした自覚はなかったけれど。
今こうして思い出してみれば、この期間すら、私を心配する恋人への裏切りであった。
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