08 05 18

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けれど、ほとんどの人はそれに気付かなくて、私のことを「優しい人」だと思っているみたい。 だって皆、 「優しいね」 って言うもん。 私は優しくなんか、ないのに。 泣いている人がいれば、無視はできない。 身を削ってだって、側にいたがる。 けれどそれは、優しさからじゃない。 私がそこに、依存しているだけ。 だって、そうしたら私は必要とされるもの。 泣いているところへ手を伸ばせば、誰だってそれを掴んでくる。 私はそれを、知っている。 そうして私は、自分の居場所を作っていく。 次から次へと。 他人の苦しみを利用して、自分自身を慰めるために。 だって。 独りぼっちは寂しいんだもん。 がっかりするかな。 軽蔑するかな。 好きに思っていーよ。 だけど一つだけ聞いて。 私はあることを除いては、あなた達に嘘の言葉をかけたことはない。 矛盾しているかもしれないけれど。 心配な気持ちも、本当なの。
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