一輪の花

2/2
前へ
/72ページ
次へ
名もなき一粒の種だった   さまざまな人と出会い   光をあててくれる人がいた   水を与えてくれる人がいた   邪魔なものは排除してくれるひとがいた   時に、ふみつけられることもあったけど   壊れそうになったあたしを   みつけてくれる人がいた   土台を作り直してくれる人もいた   愛情をそそいでくれる人がいた   あたしが育つのを見守っていてくれる人がいた   毎日のように声をかけてくれる人がいた   あたしはとても小さいけれど   とても幸せな種だった   さまざまな人の力で   今は蕾となっている   この先   どんな花が咲くかはわからない   それでも   一生懸命素敵な花を咲かせたいと思う   いつか、巡り合う   たった一人の人の為に   あたしを育ててくれた人たちが   安心して立派な花だと言えるような   そんな花を咲かせよう
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加