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あたしには
消えない傷跡が
たくさんある
こころに空いた穴と
左手の傷だ
世に言う
リストカットをする少女だった
きっかけがなんだったのか
今となっては思い出せないが
腕の痛みで
心の痛みを
紛らわせていた気がする
自分を傷つけること
楽しんでやる人はいないだろう
ただ、あの痛みだけが
心の均衡を保つ
唯一の手段に思えたのだ
気付けば
ひじから手首まで
傷のない場所は
なかった…
その傷を
見られるのが恥ずかしくて
長袖の服が多くなった
実際に
死ぬ勇気すらないくせに
生きる希望すら
見いだすことができなかった
ここにいる意味
そればかり考えてた気がする
今考えると
軽い鬱病だったのかもしれない
心配してくれる人もいたのに
あたしは自分の辛さを
最優先させる
くだらない女だったのだ
感情をなくすこと
それが一番の強さだと
勘違いをしていた
愚かな女だったのだ
本当に、嫌気がさす
友達の大切さ
愛されてること
知っているのに
自分の弱さに負けた
強くなりたい…
今でもふいに
あの頃の弱さにシンクロするが
自分を傷つけないようにすることで
いっぱいいっぱいなあたしは
まだ、弱いままなのだろうか
左手にうっすらと残る
傷跡を見るたびに
強くなりたいと切に思う
いつか、こんなあたしでも
誰かを守れるように
自信をもって自分が好きだと言える人間に
なれますように…
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