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入学式開始何分かで、もう学園生活に不安の影をもたらされた俺は、もう目前のインテリメガネと交流を謀るのを中止した。
中止だ中止!こんな魔王みたいな人と対等に渡り合えない!LV1のままラスボス戦じゃね?!
なら前がだめなら後ろだと思って、俺は勢いよく振り返った。
したらばそこには、なんかすんげえジャニーズ顔の、キレ~~~な顔したお兄様が鎮座していた。
えっ!?なにこのひと!?KAT-TUN!?KAT-TUNのハイフンの人じゃない!?
もう顔だけで一気に圧倒された俺は、無駄にイケメンなその男子に釘付けだった。
やばいよ母ちゃん!俺KAT-TUNもどきの前に座ってる!女子の皆さんに比べられる!助けて!
あっでも母ちゃん赤西くんと中丸くんのファンだ。だめだミーハーすぎる。母ちゃんもイケメンの味方だ。あれっ何この四面楚歌。死んでやろうかな。
とか何とか考えてたらそのイケメンが、ニヤッと意地悪げな笑みを向けて俺に話し掛けてきた。
「ね、名前なんてぇの?」
うわわわわ、イケメンに名前聞かれた!やばい臓物飛び出る。
「ににっ、にっ西野です!」
「西野君。俺、壱。寝屋川、壱。よろちく」
「あわわわ、よっよろちく、寝屋川くん」
「ぶはっ!噛みすぎ!下の名前は?」
「まま、真昼。真っ昼間の、マヒルです」
俺、なぜに同級に敬語。仕方ない。女子の人気=強者。童貞≦イケメンの法則。
「マヒルくん。いい名前だね」
「あわわ、ありがとうございます!」
「彼女いんの?」
…沈黙。
いきなり地雷だよ。これだからTHE・イケメンは。
「いないの?適当なの紹介しよっか?」
「まじで!!!!寝屋川くん神!?神だこの人!!」
「でしょお」
ただ、このイケメンがただの神でなく、俺の学園生活を叩っ壊す破壊神だと気付くのは、寝屋川くんがまたもや、ニヤッと意地悪げな笑みを作り上げ、俺は「あー女の子はこうゆうSっぽい笑い方にドキッとすんだろーなー俺も習得してえなあ」と思って見ていたその時だった。
「んじゃマヒル。女あてがった分だけ俺に忠誠誓えな」
ちなみにこの時から、俺は寝屋川壱の事をキングと呼んでいる。
前に座ってる黒髪インテリメガネは、鬱陶しそうにチラ見しただけだった。
俺の名字が西野だったために。
みっちゃんの名字が中宮だったために。
キングの名字が寝屋川だったために。
俺達三人が、な行だったために。
俺達は最強の学園生活を送る事になる。
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