寝屋川キングダム

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何の因果か、俺の席はインテリメガネとキングの間の席だった。 何の因果もクソも、な行の因果か。な行ホントろくな事無い。 俺の名字が西野で良い事なんて、いちご100%の司ちゃんとおそろいな事くらいだ。でも俺黒川センセイ派!あの乳たまらん。あーあー揉みてー!きっと黒いレースのエロエロなパンツで、 「なーマヒー、俺らん担任教師見たあ?」 俺の妄想タイムは後ろん席からガッツンガッツン椅子蹴ってくるキングによって終了した。 「見てないし、ちょ、痛い!」 「24才。ゆる巻きチョコブラウン。タイトスカート、お姉系」 「ななななになになにっ!!なんそのエロワード!?」 「だから担任教師」 「まじでええええ!!!」 「ちょ、うるさいマヒ。食いつきすぎ」 んでキングは引くわあっつって俺ん椅子ガツンひと蹴り…えっ、やばいよ母ちゃん!24才だって!あっ、俺今気づいた年上好きだわ! ゆる巻きって何!なんかいい匂いしそう! はしゃぐ俺と引いた顔を露わにするキング。すると突然、前の席のインテリメガネが振り返った。 色白の、頬に掛かったサラッサラの黒髪。キングは対照的に、髪フワフワしてる。なんつーの?外ハネ?赤西くんとか亀梨くんみたいな。 「Dカップらしいよ」 まじでええええ!!!つかインテリメガネ何気にノリいいな!さっきはあんなツンツンしてたくせに!さては今流行りのツンデレか!嫌いじゃないぞ!ツンデレ! 「おっ、詳しいですなあ。何何、お宅名前なんてぇの?」 「中宮。中宮三成」 「へー三成くん。頭良さそう。俺寝屋川。寝屋川壱。壱って呼んで」 「えっ?俺はキングっつわされてんのに?何この不平等」 「俺も、三成でいい」 「あれっ俺ん発言スルー?」 「俺あんま名前まんまで呼べねーの、ミツでい?」 「あれっちょ、俺抜きで親睦深まってない?」 「ちょ、マヒ黙って」 マジでひでえ。 ちょ、泣くよ?おれ高校生にもなってむせび泣くよ? 真顔で涙腺緩めた俺に、廊下を歩いていた女子が何かクスクス笑ってチラ見してった。ちょ…!ときめく! 「45点」 「辛いなミツ、俺60かな」 えっ何何っ!これだから恋愛上級者は!俺なんかスカート履いてたらそれだけで80越えしちゃうよ!うそ!もうちょい見栄張らして!スカートと年上女子! そんな押し問答を余所に、教室のドアが勢いよく開かれた。スパアンッ!っつって。 「席着けー新入生共ー、」
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