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こんばんは、なんて他人みたいな挨拶してなんとなく二人で黙っちゃって
そのうち彼女が、こういう雨、時雨って言うんだって。お母さんが言ってたなんて話しはじめてさ
俺はそんなことより林との事を聞きたかったんだけど、なにも言えずに押し黙っちゃって
急に彼女が声大きくして林くんとは何もないから!断ったから…とか言うんで
ほっとしてたら見透かしたように安心した?って聞いてくるから
悪態ついてやろうかと思ったんだけどかすれた声で出たのはうん、安心したって言葉で
今度は違った意味でまた二人で黙っちゃって
そのうち俺が意を決して、明日どっか遊びに行こうぜって声かけたら
笑いながらうんって返事をもらえたので
そのまま笑って別れて寝床について
俺には時雨のワビサビの良さなんぞはわからんが、ただ明日はきっと晴れる
そんな予感がしたのである。
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