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「これは本当に連続殺人なの?」
俺の相棒が、死体オンパレードな事件の資料を見ながら、大胆な予測を口にした。
「じゃなかったら、何なんだ?」
タバコが切れちまった俺は、少しイライラしながらシケモク探しついでに答えた。
「連続性がないわ。」
「連続性?」
「ええ。」
今日は、やけにツイてない。朝は時間通りに目覚めるし、相棒は訳の分からない事を言い出すし、タバコは無いし、全くツイてない。
「馬鹿か?ちゃんと連続で12人の娼婦が殺されてんだろ?ご丁寧に、体にマークまで付けてよ。」
この街で殺人の被害者と言えば、大抵が娼婦かヤクの売人だ。事件そのものは、正常だ。ただ、いまだに犯人像が浮かび上がんないのは、異常だ。
「3人目の被害者を刺し殺した犯人は、左利き。」
「得意のプロファイリングか?俺も左利きだぞ?犯人は俺か?」
「でも、4人目を刺し殺した犯人は、右利き。1人目も2人目も右利き。」
「ああ?」
「4人目の被害者は、左利きなの。分かる?」
「分かる訳ないだろ?」
「連続殺人なんかじゃないの!これは、殺人が連続的に起きているのよ!」
やっぱり今日はツイてない。
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