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それから3年後の2人が14才となった頃であった。2人は‘福岡バーストFCというクラブチームに入っていた。
そして、あるクラブとの練習試合。
リュウ 「いくぞっ!サク!!」
リュウから繰り出されたナイフのようなスルーパスがDFの間を切り裂いた。
サク 「くっ💦届け!」
しかし、ボールはサクの目の前から去って行った。
リュウ 「おい!今のいいボールだろうがぁ!!」
サク 「あんなパスとれっかよ!!鋭すぎだろぉが!」
リュウ 「何言ってんだよ!自分でもわかってねぇのか!!お前の欠点がよ!!篠崎ならあんなボール合わせれるぞ!!」
リュウは今、Uー15の黄金世代と言われる日本代表の司令塔である。
14才にして、素晴らしい創造性を持っていて、今日本が世界に誇るファンタジスタということで世間の評価はかなり高く、A代表級の司令塔だと言われている。
篠崎とはUー15のFWで、アクロバティックで有名な日本のストライカーである。
サクの方は実力やセンスがあるものの、ある大きな欠点があるということで、どこの選抜にも選ばれていなかった。
そして、次第に2人の差が開いていった。
そんな状況が日に日に続き、サクは苛立ちを隠せないでいた。
サク 「すみませんねぇ(怒)どうせ篠崎君のように日本代表の司令塔のパスに合わせる身体能力はありませんよ💢」
リュウ 「そんな事いってないだろ!?俺が言いたいのは・・・」
サクはリュウの言葉をさえぎった。
サク 「いいよなぁ代表さんは。お高くとまってられるもんなぁ。 俺なんか区トレ[地区選抜]にも選ばれてねぇし。あ〰あ、俺サッカー辞めよっかなぁ(笑)どうせ才能ねぇし。ってかつまんねぇ」
その時!!リュウはサクの顔面を思いっ切り殴った。サクは地面に崩れた。
リュウ 「ふざけるな!💢そんな簡単にサッカー辞めるとか言うんじゃねぇよ!!!あの時の約束忘れたのかよ!!」
サクはリュウのあまりの形相に驚いたが、
サク 「知らないね!!そんな事!」
と言って試合中にもかかわらず帰ってしまった。
リュウ (違うんだ、サク。お前は下手なんじゃない。お前に肌で感じてほしかったからなんだ。俺にはないモノをもっているのに。)
その思いとは裏腹にサクの姿は小さくなってゆく。その後ろ姿をリュウは悲しい目で見ていた。
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