届かぬ思い

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サクが家を出て、ガランとしている部屋の静けさの中、点けっぱなしのテレビに1人の少年が映った。 リュウだった。 アナウンサー「すばらしい活躍でしたね。本田選手。今の気持ちはどうですか?」 リュウ「はい、とっても嬉しいです。でも、まぁ親善試合のリーグ戦っすからねぇ当然です。日本は強いですから。」 アナ「言いますねぇ(笑)さすが次期A代表ですね。」 リュウ「そんなことないですよ💦ただ本当に日本は強くなったんです。世界に負けないくらい」 アナ「ところで、この番組宛てに同じ不思議な質問が何通か来たのですが、答えてくれますか?」 リュウ「えぇ。いいですよ。」 アナ「じゃあ紹介しますが、えっと(本田選手は試合中、なぜか俺には寂しげな顔をしてるような気がするですが。)というコメントがあるんですけど本田選手はどう思っていますか?」 リュウは少し驚いて答えた。 リュウ「そうですか、そんな事思ってる人がいるなんて。」 アナ「では、本当なんですね。」 リュウ「えぇ、本当です。でも、サッカーが楽しくないっていうのは絶対ありません。ただ・・」 アナ「ただ?」 リュウ「ただ、このままでは日本は世界を制するどころではなく、ヨーロッパなどのチームにかなうようにはならないと思います。」 アナ「えっ?それはどうしてですか?」 リュウ「それは・・・」 リュウは重い口をゆっくりと動かし、真剣に話し出した。 テレビの前にいると信じている、ある友に向けて・・・・・
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