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その頃サクは、ある河川敷の橋の下へやって来ていた。
サク「懐かしいなぁ。よくここでリュウとキックターゲットとかしたっけ。」
そう言ってサクは石で書いた1から10までの的に向かってボールを蹴り出した。
しばらくして、
サク「はぁ、はぁ、後一枚。これでラストだ!」
サクが蹴り出したボールは鮮やかな弧を描き右上隅の的に見事命中した。
サク「やったぜ!!どうだ、リュウ!」
サクは後ろを振り向いたが誰もいない。
サク「はは、そうだよな。いる訳ねぇじゃん。くそっ、何してんだ俺。」
そう言って河川敷の坂に寝転がった。
そして、目を閉じるとリュウとケンカした時の映像が流れてきた。
そこには地面に倒れている自分の姿が映っていた。どうやらリュウの目線で見ているようだ。
《ふざけるな!💢そんな簡単にサッカー辞めるとか言うんじゃねぇよ!!!あの時の約束忘れたのかよ!!》
《知らないね!!そんな事!》
そういって走って行く自分の姿を見て、サクは、いやリュウは
《そうじゃないんだ。サクには俺にも今のA代表のどの選手にも持っていないすげえモノを持っていたんだ。でも、俺のせいで俺とお前が一緒にいたせいで・・・いたせいで・・せいで・・・》
すると、急にリュウが目の前に現れ、少し厳しい顔つきで頑張れと言っているような表情のまま、サクからどんどん遠くへ離れていき、消えてしまった。
そして、サクは目を覚ました。
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