電脳世界――VW――

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 体の再生が追いつかなくなったところで、白いロングコートで全身を覆い隠したPC二体は何百とありそうな光の線を撃ち放つことで牛人の体を完全に消滅させた。  それが終わると、何かを取り出してその真っ白で怪しいPC達はどこかへと去っていき、周りのPC達も“良い見せ物だった”的な雰囲気で散っていく。  その場に残された緋室とライチだけが、状況にも置いてけぼりをされてしまっていた。 「お、見るからに初心者がいるな。良かったら、俺がさっきの光景について教えてやろうか?」  と、そこに近寄ってくるPCが一体。  白い布を斜め掛けにした旧いモノの下に緑の長袖を着て、まだ幼い雰囲気が十二分に残る少年のような顔だちに短い金髪。  瞳も髪と同じ金で、まだまだ少年な顔立ちはやる気のない半目状態になっている。  名前は、頭の上にはなかった。 「あのー、どうして私達が初心者だってわかったんですかー?」  ライチが首を傾げながら言うと、ロングの黒髪が僅かに靡く。  見上げる形になっている少年は、しかし、そのアホっぽい仕草にか無知故の質問にか、吹き出すようにして笑いを漏らした。
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