電脳世界――VW――

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「称号を付けてんのならいざ知らず、名前だけをそんなふうに頭の上にぶら下げてるヤツ、初心者ですって喧伝してるよーなもんだ」  くつくつと笑う少年を余所に、緋室は言われた瞬間にライチの頭上を見上げる。  そこには、マヌケとしかいいようのない箇条書きの「ライチ」という文字がぶら下げてっていた。 「ふぉぉおっ?! な、なんだこれはぁっ!?」 「あれ、緋室くん今ごろ気づいたの?」  と、しかしライチは初めから知っていたかのような反応を緋室に返す。  一人絶叫している緋室が馬鹿みたいな光景となっていた。 「ちょっと待て、あんたは名前ねぇじゃねーかっ! どうやったら消せるんだよこれっ!」 「簡単だ、プロフィール設定ってのがあるだろ? そこで情報を未公開にすればいいんだよ。そしたら頭の上から名前は消えてくれる」 「へぇーそうだったんですね」  三人でそんなことを言い合い、無事に緋室とライチの頭上からは名前が削除された。 「さて、んじゃまずは俺の自己紹介からするな。俺の名前は『木蓮』、これでもレベルはかなり高い方だと自負してる。今のところはどのギルドにも所属してない」
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