告白

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――――― 夕方、宿題も全て済ませやることの無くなった綾人は、自室で本を読んでいた。 もちろん、前日に蓮と里沙に予定があると言ったのは嘘だった。 30ページ程読んだところで、携帯からメールの受信を知らせる機械的な音が静かな部屋に響いた。 受信Boxを開くと、里沙からの蓮と付き合い始めたと言う報告メールが画面に映し出される。 「はぁ…」 里沙に気持ちを伝えるように言った時から、こうなることは綾人も覚悟していた。 けれど… 「思っていたよりもキツイな。。。」 早く返信しなければと思いながらも、思うように言葉が出てこない。 しばらく携帯を握ったまま固まっていた綾人は、けれど一度大きく深呼吸をして返信を打ち始める。 お祝いなのにたった二言なんて少し冷たいかとも思ったけれど、今の彼にはこれが精一杯だった。 送信ボタンを押すと、綾人はそのままベットへ行き体を沈めた。 ボーッと天井を見上げる彼の隣で、再び携帯が鳴り響く。 「今まで通り…か」 里沙からのメールを読み、自然と文章を声に出す。 一言だけ返信すると、綾人は携帯を投げ出して腕で視界を遮るようにして目を閉じた。 里沙はもちろん、蓮さんのことも大好きだから、2人が幸せになれれば俺も嬉しい。 だから、里沙に気持ちを伝えるようにけしかけたんだ。 明日からは、2人の今まで以上に幸せそうな笑顔が見られるんだ。 だから、これで良いんだ。これで… 綾人は、自分に言い聞かせるように心の中でそう言うと、二度と開くことのないように、自分の気持ちにしっかりと蓋をした。
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