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「ねぇ聞きました?高等部の望月先輩と笹村先輩、お付き合い始めたらしいわよ!」
「聞いたわ!望月グルーブ御令嬢でお美しくて優しい望月先輩に、紳士で素敵な笹村先輩、とってもお似合いですわね!」
里沙たちが付き合い始めて3日、2人の噂は中等部にまで広がっていた。
「綾くーん!!」
昼休み、噂をしている女子生徒たちの横を綾人が通り過ぎたとき、前方に噂の2人がいた。
里沙は綾人に向かって、笑顔で手を振っている。
「こんなところで何やってるんだ?」
2人の元まで行った綾人が言うと、2人は一度顔を見合わせ、蓮が少し困ったように笑いながら答えた。
「今度の中等部、高等部合同のクリスマスパーティーについて会長からプリント預かってて…
急ぎじゃないから放課後届けようと思ってたんだけど、里沙がどうしても今から行くって聞かなくて」
「だってクリスマスパーティー楽しみだから、準備も早く進めたいんだもん」
「ありがとうございます」
浮かれている里沙を横目に、綾人は蓮からプリントを受け取る。
中等部生徒会会長をしている綾人と、高等部生徒会書記をしている里沙が幼なじみであるということは有名で、会計の蓮とも知り合いになってからは、高等部生徒会との連絡は重要事項以外は2人を挟んで行われることもしばしばだった。
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