片想い

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―キーンコーンカーンコーン― HR終了のチャイムが鳴り響き、担任が教室を出ていく姿を視界の隅に捕らえながら里沙は胸を高鳴らせる。 もうすぐ、声をかけてくれる… 「里沙!部活行くよ」 「うんっ!」 友達に別れを告げた里沙が、予想通りに声をかけてきた蓮に駆け寄ると、彼は優しい笑顔で迎えた。 里沙と蓮は数少ない文学部員のため、自然と仲良くなりいつも一緒に部室へ向かっている。 いつも明るくて優しい蓮が里沙は大好きで。 けれど、それはきっと一方通行だと思っている里沙は、今の関係が壊れるのが怖くて気持ちを伝えることができないでいた。 「里沙?どうかした?」 思わずボーッとしてしまっていた里沙は、穏やかな笑みを向けて問いかけてきた彼に慌てて笑みを返す。 「ううん!何でもない。今日はおやつ何かな?」 「今日は、雅先輩がスイートポテト差し入れてくれるって言ってたよ」 「やった!早く行こう!」 満面の笑みで先を歩く彼女の後を、蓮は優しい笑顔を浮かべながら追った。 .
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