公認

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その日の夜。 綾人はずっと気になっていたことを確かめるため、里沙に電話をかけた。 『もしもし。綾君?どうしたの?』 いつもと変わらない明るい声の里沙に、綾人もいつも通りのトーンで疑問を投げかける。 「ちょっと聞きたいことがあって」 『聞きたいこと?』 自分の言葉に、里沙から電話の向こうで首を傾げている姿が目に浮かぶほどに不思議そうな声が返ってきた綾人は、率直に質問を投げかけた。 「里沙の両親のこと、もう蓮さんに話してるのか?」 その言葉に、綾人は電話の向こうの空気が少し変わったことに気が付く。 『……私の両親が望月グループを継いでいなくて、数年前までお祖父様に縁を切られていたことはこの世界では有名だから…だから、付き合い始めたときに話したよ』 「そうか…なら良かった」 里沙の言葉に安堵の息を漏らすと、電話の向こうから再び明るい声が聞こえた。 『心配かけちゃってごめんね。ありがとう』 「別に…ちょっと気になっただけだ」
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