公認

11/16
前へ
/380ページ
次へ
「姉ちゃん…」 突然、緋翠が里沙の手を引っ張った。 彼女は笑顔でしゃがみ、弟の目線に自分のそれを合わせる。 「なぁに?緋翠」 「蓮さんは、姉ちゃんの恋人なの?」 「そうよ。だから、緋翠も仲良くしてね」 「わかった」 笑顔で返した里沙に緋翠もニコッと笑って頷くと、今度は蓮の手を握った。 「蓮兄ちゃん、一緒に料理取りに行こう」 笑顔で言った緋翠の言葉に、蓮は一瞬驚いた表情を見たけれど、直ぐに笑顔で頷いた。 緋翠に「蓮兄ちゃん」って呼ばれたのが、よっぽど嬉しかったんだな。 そう思いながら里沙が笑みを浮かべて2人を視線で追っていると、司会者からパーティーの始まりを知らせる言葉が会場内に流れる。 そのまま学園長の話があり、そのあと高等部生徒会長、そして中等部生徒会長の綾人の挨拶があった。
/380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2181人が本棚に入れています
本棚に追加