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「蓮…?気に入らなかったかな?」
蓮の反応に不安になった里沙が声をかけると、彼は満面の笑みを浮かべた。
「そんなこと無いよ。すごく嬉しい。大事にするよ。
ただ…」
「ただ?」
言葉を詰まらせた蓮に首を傾げた里沙に、今度は彼がポケットから赤い包装紙に金色のリボンが巻かれた、小さな長方形の箱を取り出した。
「俺からのクリスマスプレゼントだよ」
「ありがとう!私も開けていい?」
「もちろん」
蓮の言葉に、里沙も素早く包みを開く。
「これ…」
箱の中身を見た里沙は、言葉を詰まらせてそれを見つめた。
「ブランドが同じだから驚いたよ」
蓮は、穏やかな声音でそう言うと嬉しそうに微笑んだ。
けれど、里沙は箱の中の物から目が離せず、ずっとそれに視線を落としたままでいる。
「里沙…
まだ早いかなって思ったけど、でも、これを贈ることに何の躊躇いも無いほど里沙が大好きで大事だから、やっぱり贈ろうって思ったんだ。
…受け取ってもらえるかな?」
蓮の言葉に、里沙は堪え切れなくなった涙を流しながら頷く。
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