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里沙たちが付き合い初めて4ヶ月が経ち、綾人は陵南学園の高等部へ進学した。
それからは、綾人、凜、里沙、蓮の4人は、学年は違うが、暇さえあれば一緒にいることが多くなった。
「綾人!」
「凜」
「部室行くんだろ?一緒に行こう」
放課後、部室に向かうために廊下を歩いていた綾人は、後から凜に声をかけられた。
綾人が里沙と蓮に誘われたときに、それまで帰宅部だった凜も一緒に誘われ、結局2人も文学部に所属している。
追い付いた凜を待って、綾人は再び部室へ向かい歩き始めた。
「西山君と葉山さんだわ!」
「最後にツーショットを見られるなんて、幸せね!」
「笹村さんと望月さんはいらっしゃらないのかしら?」
周りから聞こえるそんな言葉たちを、綾人も凜も聞こえないフリをしてやり過ごす。
綾人たち4人は、いつの間にか学園で有名になっていた。
何でこんなに騒がれるんだよ…
「そりゃあ日本屈指の望月グループ御令嬢の里沙に、日本のみならず世界でもトップクラスの西山財閥御曹司の綾人君が揃えば有名にもなるわよ。しかも、護衛の名家葉山家時期当主の凜君に、今はまだ小さい方だけれど、確実に勢力を伸ばしている貿易会社御曹司の蓮もいるんだから。
この学園の高等部と中等部には、もうあなたたちを知らない人なんていないんじゃない?」
部活でさっき思ったことを口にすると、2つ上の先輩である宮間杏子(みやまきょうこ)が今日のおやつを摘みながら言った。
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