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優しい眼差しを里沙に向けながら、綾人は口に縛られた布を外す。
「綾…く…っ」
目に涙を浮かべたまま、里沙は今にも泣きだしそうな声で彼の名前を呼んだ。
足を縛られている縄を解く。
「…っ」
震えながらも、彼女は少し綾人に近付いた。
最後に後ろに回って、手を縛っていた縄を解く。
「うっ…く…っ」
全てが自由になった里沙は、勢い良く振り返ると、肩を震わせながら思い切り綾人に抱き着き、言葉にならない声で泣き始めた。
「…っ」
何かに思い切り胸をわしづかみにされたような感覚を覚えながらも、綾人は安心させるようにギュッと彼女の身体を抱きしめ、優しく声をかける。
「もう大丈夫だ。怖い思いさせてごめんな」

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