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「名義を貸してくれ」
突然の父からの頼み。
私には何が何だか訳が分からなかった。
「俺らが金返すから名義だけ貸してくれ」
私は恐怖を感じていた父からの頼みという事もあり何も考えずに名義を貸した。
会社を早退し未成年である私は両親とある金融会社へと行き、書類を書かされた。
受付の女性からカードを手渡され一緒にATMへ行き限度額いっぱいの20万を引き出した。
まだ就職したての私には20万が最高額だったらしい。
こんなにも簡単に金が借りられるのかと私も嬉しく思えた。
引き出したばかりの20万を、そのまま父に渡した。
珍しく父が私に
「ありがとな」
と礼を言った。
父から感謝の言葉を言われ凄く嬉しかった。
でも…
本当に、あさはかだった。
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