借金の始まり

3/8
前へ
/75ページ
次へ
ある日、会社に私宛の電話が入った。 従業員何百人という大きな会社の派遣社員だった私。 普通なら、そんな立場の私に電話が来るはずもない。 事務の人も不思議そうに私を見つめる。 「もしもし。」 「○○さんですか?」 「はい。」 「私、△△会社の者ですけど今月のご返済がされてないのですが」 私は父に本気で怒りを感じた。 「俺らが返すから」 って言ってたのに何で!? 約束が違うじゃん! 「すいません。仕事終わってから返しに行きます」 「分かりました。お待ちしております」 それから終業時間までの間、私の胸の奥は煮えくり返っていた。 噂を聞いたのか休憩時間で周りの人が私を見ているようだった。 居づらくて休憩所から逃げるように去った。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1083人が本棚に入れています
本棚に追加