借金の始まり

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家に帰ると休みだった父は野球中継を観ながらビールを飲んでいた。 「ちょっと!今日金融会社から返済されてないって電話来たけど、どーゆう事!?」 「わりぃ。忘れてた」 「さっき払って来たから返してよ!」 「今、手持ちが無いから明日な」 見事にはぐらかされた。 翌日も両親が帰って来るまで眠い目を擦りながら待ち続け催促したけど 「また明日な」 の繰り返し。 連日、催促していた私に父は逆ギレ。 借りる時はヘコヘコしてたくせに借りたらシカト。 本当に腹が立った。 こんな親の元ではなく、もっと普通の家庭に生まれたかった。 自分の出生を本気で恨んだ。 もぅ親なんか当てにならない。 自分で返そう。 私は誓った。
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