祖父の最期

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年老いた祖父に抗がん剤治療は難しいという事もあり余生は自宅で過ごした。 好きな時間に好きな事をして欲しいから。 本人には病名も余命も知らせなかった。 “元気な内に” そう思い遠い親戚までもが祖父に会いに来ていた。 それでも相変わらず女はいた。 祖父の脳にまでガンが転移し更に痴呆は進む。 オシボリを口にしたり…。 タバコに火を付けていた事を忘れボヤ騒ぎを起こしたり…。 今までタバコが生き甲斐だった祖父だから最期まで思いっきり吸わせてあげようとしていたけど危ないから結局制限する事になった。 一番ショックだったのは私の事すら分からなくなった事。 あんなに“ちびまるこちゃん”みたいに仲良くしていたのに…。 凄い寂しかった。
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