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祖父が下血をしナースステーションの目の前の部屋へと移動となった。
“ナースステーションの目の前”
“一番危ない人がいる部屋”
祖父の最期をカウントダウンされているかのようで悲しかった。
この頃の祖父は話せなくなっていた。
苦しそうにハァ ハァ呼吸をしていた。
身体中を通る管が嫌なのか無意識に外すから医療用の手袋をはめていた。
私を見ると祖父は苦しいハズなのに一生懸命手を挙げて私の頭を撫でる。
泣くな!
堪えろ!
今泣いたら爺さんが不安になる!
必死に涙を堪える。
私が手を握ると安心するのか、あんなにもハァ ハァ言っていたのにスゥーと眠りにつく。
苦しんでいる所を見たくない。
私が手を離すと涙目で、またハァ ハァ苦しそうにする。
私には側にいて手を握る事しか出来ない。
辛かった。
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