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しかし、悲劇というものは突然やってくる……
私はその日、家で内職の縫い物をしていた。時間はもう少しで正午になろうとしていた。
その時……
グォォォォォォォ!!
敵機?
でも警報は鳴っていないはず……なのに何故?
しかも数が多いのか、音がとてつもなく大きい。
「敵機だー?!逃げろー!!」
誰かがそう叫んだ。
敵が来たら近くの防空豪へ非難するかとにかく逃げるようにと聞かされている。
ああ、逃げなくては……
私は急いで、逃げる準備をした。
主人の服と少しばかりの食べ物を持ち出さなくては……
グォォォォォォォ!!
…………ドゴッ!!………バキッッッ!!ボォォォォ!!
「ぎゃあああああ!!」
誰かの叫び……子供の泣き声。戦争は傷つけることしかしない。
あの人も……私より酷いものを見てるに違いない。可哀相に……
持ち帰りを持って玄関に出た。後は、外の少し離れた防空豪に入るだけ。
外……外へ……
グォォォォォォォ!!
…………バキッッッ!!
「……っ!!」
何が起こったのか分からない。ただ、何かが私の頭に当たり、私は地面に倒れたと思う。不思議と痛みは無かった。
……あなた、帰ってくるわよね?
私は意識が遠退いていく瞬間、いるはずもない主人に問いかけていた。
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