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ザァァァァァァァァァァ
「……………っ」
雨の音で目が覚めた。
しかし、体が動くかなかった。頭が痛い。
どうやら、何かが崩れてきて私は下敷きなっているらしく、木か何か重い物が体の上にのしかかっている。
……痛い……苦しい……
「……あなた……」
私は地面に俯せの状態で倒れている。
「……あなた……」
私はか細い声で主人を呼んだ。
返事なんか返ってくるわけじゃないのに。
「……」
私は恐る恐る目を開けてみた……しかし…………何も見えない…
今が朝なのか、昼なのか、夜なのかさえ分からない。分かっているのは雨が降っていることだけ。
「……」
あたりを見ようとしても体が動かないから見ることが出来ない。
「……あなた……」
主人をもう一度呼ぶ……しかし、反応はない。
誰も来てくれないなら……このまま、死んでいくのだろうか
「……うっ……うう……」
瞳から涙がたくさん流れる。
涙が止まらないから泣くのか?雨だから泣くのか?
どれも違う……
私は主人の“約束”を守れなかった。
どんなことがあっても待ち続けるつもりだった……
でも……
死んでしまったら意味がない。
笑顔で出迎えることも出来ない。抱きしめることすら出来ない……
「……あなた……ごめんなさい……」
泣きながら私は主人に謝った。
“約束”を守れなくてごめんなさい……あなたに逢えなくてごめんなさい……そう思ったとき……
ヒラッ……
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