クリームソーダ

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そう。 私の居るカフェテラスも、白い木のテーブルもチェアも、cafe blue という硝子文字が浮き出した、私の手のなかで汗をかく、グラスも、拓哉の死後も存在していた。 物質の残酷さに、私は絶望する。 だが、それも海には勝てないだろう。 この海辺のカフェが消失したとしても、海は生き続ける。おそらく。 それは私を慰める。 そう。 どこかに永遠は、あるのだ。 たとえ、海が死んだとしても。
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