17歳

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十七歳。 私は何者にも属していなかった。 学校にも、仕事にも。 私は純然たるニートだった。 当時は90年代後半で、ニートという言葉はまだ流行っていなかったが、登校拒否はよく新聞の紙面を賑わしていた。 だが登校拒否という言葉がメジャーであっても、その言葉に、属しているという概念は含まれない。 学校から外れると、私は世間の冷たい目にさらされていた。 当たり前なのだが。 当たり前を受け入れることに、当時の私は、未だ慣れていなかった。 今でもそうかもしれない。 私は世渡りが下手だ。
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