ぷろろーぐ

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   ふわぁ~…。眠い…。  退屈そうに盛大な欠伸する。前に目を向ければ、煩いくらい大きな声で説明している先生の姿。先生も頑張るねー。  部活動紹介の説明が終わると、舞台の幕がゆっくりと開いていった。現れる何らかの部員達。大きな声で挨拶する部員達もまた煩い。  何だかんだ言いながらも一応舞台に目を向けてはいる自分。まあ一時間ずっと愚痴ってても意味ないし、自分で自分を憂鬱にさせる意味もないし、何もしないまま終わるよりは面白そうだしなって思い、頭を切り替えた。うん、偉い。  だが折角のその気持ちも、簡単に裏切られた。退屈しのぎにすらならなかったよ、この部活動紹介。  トップバッターのハンドボール部は、熱心に説明したりボールを投げあってみせたりして頑張っていたのは感じたが、後は全く何も感じず、呆気なく終わっていったし、次の部活も、そのま次の部活も、更にそのまた次の部活も、インパクトの無い部活ばかりで呆気なく終わっていく。当然ピンと来たものなんて何一つない。  やはり部活動自体に何の興味もないのか。それともこの学校にはつまらない部活が多いのか。まあ明らかに前者に問題があると思うね。  ふわぁ~…。  再び眠気が襲った。瞼が急に重くなる。あくびを盛大に一つし、ぼやけた視界のまま舞台に目を向けていた。だがもう何をやっているかすら解らない程、眠くなっていて、気付けば色んな部活が終わっていた。  残る部活も後一つとなった頃には、夢の世界と現実世界の境を行ったり来たりしていたが、後一つで終わるんだ、と自分に言い聞かせ、無理矢理現実世界に自分を引き戻した。何て真面目なんだ、自分。  スポットライトも当たっていない暗い舞台の袖から見慣れない格好をした五人が登場した。横に一列並んでいく。  何あれ…?  舞台にいる部員達全員胴着と黒い袴で身を包み、防具をつけている。面をつけていて解らないがおそらく男女別に色が分かれているらしく、男子は黒の胴着、女子は白の胴着を着ていた。そして手には小手をはめ、竹刀が握られている。五人の中の四人は面をつけていた。格好だけでもかなり目立つそんな五人組。  揃って礼をすると、唯一面を付けていない一人の部員がマイクを片手に喋りだした。  
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