~第一章~

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職員室を出た真吾の顔はどこか暗かった。 敦の顔はそれとは対象的だった。 「案外楽だったなぁ」 敦のその言葉に真吾は呆れる事しかできなかった。 「敦、おかしいと思わないか?」 「何が?」 敦は顔をしかめながら言う。 「いや 何でも無い」 敦の予想外の返答に真吾はそう言うしかなかった。 「何がおかしいんだよ?」 これ以上敦に言っても無駄だ、真吾はそう思い話をずらす。 「何でも無いって。それより敦、金あるのか?」 敦はニヤリと笑う。 「何だ 貸してほしいのか?」 どこまでも頭の悪い奴だなぁ・・・ 真吾は内心そう思ったが口にはださなかった。
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