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敦の重い口が開いたのは五分ぐらい経った後だった。
独り言のような小さな声で呟くのを真吾は聞き逃さなかった。
「サボろう……」
敦のその言葉に真吾はとくに驚きもしない。
敦はこれまでにも結構授業をサボっていたからだ。
でも……こんな形でサボろうとするのは始めてだった。
「真吾、一緒にサボらないか?」
敦は次はしっかりとした声で真吾に聞く。
真吾の脳裏にいろんな考えが浮かぶ。
正直に言うとサボりたい……。
でも真吾は今まで一度も授業をサボった事がなかった。
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