第二章:取り戻した日常

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 「朝から熱いねぇ~♪ハァハァ言いながら登場か。はい、2人とも遅刻~」 教室のドアから先生が上半身だけ覗かせて廊下の俺達に言った。 「ちょっと! 誤解を招く言い方しないで下さいよ!」 紗香は先生にそう言うと教室に入っていった。俺も入ろうとしたら先生が俺を捕まえて「復活早々遅刻とは凜らしいな♪」と言った。 「ははっ、ごめんなさい」 正直かなり焦る。 「まぁ、連続無断欠席よりは何倍もマシだけどな♪」 そう言って先生は出席簿で軽く俺の頭をコツンと叩くと教室に入りながらこう言った。 「今日は復活初日だからオマケしといてやるよ」 その瞬間紗香が自分の席から「え~ずるい!!」と叫び、教室中から笑いの声が洩れたのは言うまでもない。  俺はこのとき、とても懐かしい気持ちになった。 また日常に戻って来たのだ。
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