第二章:取り戻した日常

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 授業が終わってからは質問攻めで大変だった。 「それで、警官に捕まったあとどうなったの?!」 「捕まったんじゃなくて補導されたんだって!」 「その小学校って幽霊とかいた?」 「ねーよ!」 「じゃあさー、記憶喪失になってるってどんな感じ?」 「そ、それは……」 さすがにこれは言葉で説明するのは難しい。 「おい、凜困らせるなよ」 あー助かった。 声の主は 幸哉(ユキヤ) だった。 幸哉とは小学生のときからの付き合いだ。  幸哉は一通り周りの取り巻きを追い払うと俺の方に向き直った。 「明日俺んちでお前の復活パーティやろうって、さっき紗香と話してたんだ。凜なら絶対来るだろ?」 「マジで!? 絶対行く!! で、何時から?」 「うーん、夕方頃かな。詳しく決まったらまたメールすっから♪」 「おっけぃ♪」 こんなワクワクするのは何年ぶりか、と一瞬思ったが何年ぶりと言う程でもないのだった。 誕生日が2ヶ月くらい前で……記憶が飛んだせいで長く感じるのだろう……。
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