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「凜!」
びっくりした。
再開した母の第一声だった。
この人が母さんか……。なんか懐かしいような……あぁ、思い出した!
そうだ、母さんだ。
良かった良かったと頭を撫でながら母さんは涙を流した。懐かしい、匂いがした。
「息子さん、軽く記憶喪失を起こしているみたいですから、暫くは心理カウンセリングを受けさせてやって下さい。」
そう言って警官は簡単な地図を描いて母に渡した。
家に帰ってからはいろいろ思い出した。俺の部屋、俺の制服、俺の茶碗、俺の歯ブラシ――
全てあの日からそのままの状態で置いてあった。
ん? あの日?
そう、俺はなんで居なくなったんだ? いつ居なくなったんだ?
どうしてもそれだけが思い出せない……。
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