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チチチチ…
鳥の鳴き声が聞こえる朝
あたしは家を出た
『じゃあなお袋! 行って来る。』
「行ってらっしゃい。」
ガラガラ…
ピシャンッッ
「行ってらっしゃいませお嬢様。」
庭では砂やゴミをお手伝いさん的な存在の舞が掃除をしていた。
『…ねぇ舞』
「はい?」
『同い年なんだからさ…
「お嬢様」はやめてよ。』
「は…はい!申し訳ありませんお嬢様!」
『…。
まぁいいや 行って来ます。』
家は代々伝わる空手道場。
「お嬢様」より「お嬢」なんだけど…
舞はフリースクールに通って居るから10時登校らしい。
聖「奈緒~!」
『おはよ』
聖「学校行こうぜ!」
「奈緒ーーーー!!!!!」
家の中から聞こえる声。
その声の主は…
そう。
バカ兄貴。
朝っぱらからデケェ声出すなよ…
龍「おはようも無しなんて酷いじゃないか~~~!」
『黙れシスコン 聖行くよ』
聖「お…おぅ…」
龍「奈緒ぉ~~~」
…マジうぜぇ…
チュッ
『行って来るね。兄ちゃん。』
頬に軽くキスし、あたしは兄貴に背を向けた。
うぇ…気持ち悪ぃ…
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