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風で周りの木が揺れ
あたしの泣き声だけが風によって運ばれた。
聖「…落ち着いたか?」
『ん…ありがとう…』
聖「…奈緒…
俺… 俺な…!」
聖は真っ直ぐな目であたしを見つめ、手を握った。
『な…何だよ!?』
聖「俺…ずっと…ずっと…」
『ちょ…』
「ひ~じ~り君♪
俺の妹にな~にしてんの~?」
『あ 兄貴』
聖「り…龍鵺さん…
おはようございます!」
龍「今は「こんばんは」だ!!
テメェ奈緒に何してやがった!あぁ!!?」
『いや…何もされてないよ』
龍「奈緒!庇わなくていいんだぞ!?何されたんだ?ん?
泣いてるじゃねぇか!!泣くようなことされたんだろ!?」
このシスコンが…
『はぁ…』
ブロロロ…
聖「奈緒!助けてくれ!」
『兄貴~あたしこれから集会行くから
聖~行くぞ~』
聖「は…はい!」
龍「奈緒~!晩飯どうすんだ!?」
『晩飯までには帰るよ』
ブロロロ
シスコン兄貴は何気に喧嘩が強い。
あたしに近付く男は誰だろうと許さないと言わんばかりに追い払う。
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