きっかけは唐突に

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ここは王国シルビアの西端にあるコマクサという小さな村。 住民はのんびりと穏やかに暮らしながらも、村の中央の市場にはそれなりに活気がある。 市場を抜けると途端に静かな農園が広がる。 そこに一人の少年が座っていた。茶色い髪に淡い赤い眼をしていて、くたくたになったジーンズの繋ぎを着ている。 「ホントついてないな……」 少年は溜め息をついて途方にくれたような顔をしながら、もう何度も口にした独り言を呟いた。
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