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「村長、俺の話聞いてる?
俺が聞きたいのは、なんで俺が春の巡礼に行かなきゃなんないのかってこと!!」
「だから巡礼の旅に出るというのは非常に誇らしいことでな。
ワシは子供たちを旅に送り出す時、いつも嬉しく思っておってのう」
「村長ー?いい加減俺の話を……」
「そもそもこの素晴らしいしきたりが何故始まったかというとな、先々代の王のおかげなのじゃ。
王が辺境の村々が孤立していることを心配して、村同士に使節を送らせたことが始まりじゃ」
「村長ー。俺の声聞こえてますかー?」
「そしてそれが時を経て今のような形になったんじゃ。
先々代の王は素晴らしいお方でな、他にも色々な改革を行ったのじゃ。自ら国内を視察なさったり――」
「Zzz……」
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