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『ねぇ、パパ。』
『ん? なんだいアリス?』
『“オオカミ男”って本当にいるの?』
『何を言ってるんだいアリス。いないよ。』
『じゃぁ“ゾンビ”は?』
『いないよ。』
『“魔女”は?』
『いないよ。』
『“ジェーソン”は?』
『いないよ。』
『“おばけ”は?』
『いないよ。アリス――』
『えーっと、じゃぁ“バンパイア”は?』
『いない。アリス、君はどうしてそんなことばかり訊くんだい?』
『友達のジョーが言ってて――‐‐本当にいるのかなって思って・・・・・・』
『ジョーはいけない子だね。』
温かい手で私の頭をそっと撫でるパパ―――
『ねぇ、パパ。本当にいないの?』
『ああ。いない。大丈夫、怖がらなくていいんだよアリス。』
『―――私、怖がってなんかいないよ。』
『そうか!それは良いぞアリス!』
『・・・・・ねぇ、パパ。』
『なんだいアリス?』
『“サンタクロース”はいるの?』
『サンタクロースはいるよ、アリス。』
『どうして?』
『どうしてって、毎年プレゼントをアリスは貰っているだろ?』
『・・・・そうじゃないよパパ。』
『じゃぁなんだい?』
『どうして、“サンタクロース”はいて、“オオカミ男”や“ゾンビ”や“魔女”や“おばけ”や“バンパイア”はいないの?』
『それは――――――』
パパはその質問には答えてくれなかった・・・・・。
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