大嫌い

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********** 『ねぇ、パパ。』 『ん? なんだいアリス?』 『“オオカミ男”って本当にいるの?』 『何を言ってるんだいアリス。いないよ。』 『じゃぁ“ゾンビ”は?』 『いないよ。』 『“魔女”は?』 『いないよ。』 『“ジェーソン”は?』 『いないよ。』 『“おばけ”は?』 『いないよ。アリス――』 『えーっと、じゃぁ“バンパイア”は?』 『いない。アリス、君はどうしてそんなことばかり訊くんだい?』 『友達のジョーが言ってて――‐‐本当にいるのかなって思って・・・・・・』 『ジョーはいけない子だね。』 温かい手で私の頭をそっと撫でるパパ――― 『ねぇ、パパ。本当にいないの?』 『ああ。いない。大丈夫、怖がらなくていいんだよアリス。』 『―――私、怖がってなんかいないよ。』 『そうか!それは良いぞアリス!』 『・・・・・ねぇ、パパ。』 『なんだいアリス?』 『“サンタクロース”はいるの?』 『サンタクロースはいるよ、アリス。』 『どうして?』 『どうしてって、毎年プレゼントをアリスは貰っているだろ?』 『・・・・そうじゃないよパパ。』 『じゃぁなんだい?』 『どうして、“サンタクロース”はいて、“オオカミ男”や“ゾンビ”や“魔女”や“おばけ”や“バンパイア”はいないの?』 『それは――――――』 パパはその質問には答えてくれなかった・・・・・。 **********
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