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「何をして・・いる」
白浪が問う・・・
「戦いが終わったから武器やら何やらしまってんだよ」
そういいながら神代は右手の指でパチン!と音を鳴らした
パリイィン!
すると周りに張ってあったブラックドームは跡形もなく消え、ただ青々と広がる草原が視界を埋め尽くした
「いや・・・まだ我は死んでいないぞ」
そういいながら白浪は蒼穹に魔力を込め始めた
「な~に言ってやがる、俺はお前を殺す気なんてさらさらないし、それにお前はもう戦える状況じゃないだろ?」
そういいながら神代は白浪に歩み寄った
実質今の白浪の状態はあの白銀の鎧は粉々に砕かれ、所々から血が出ていて立っているのも不思議な状態である
白浪は悔しそうにうめくが
「それに・・・生きようと思ってる奴を殺すなんて悲しいじゃねえか・・・」
そういって白浪のすぐ目の前まできた神代は右手に持った蒼穹と対をなす神剣【炎皇】を地面に突き刺し魔法を唱え出した
「天におわしますかの者よ、我が声を聞き、我が力を使い、この世に顕現(けんげん)召されよ」
神代はそのまま魔力を上空に飛ばすと、空に魔方陣が現れた
するとそこから神代の声に答える様にそれは・・・・いや彼女は現れた
純白のローブを纏いし女性、しかし背には四枚の羽、頭には煌々と光る光の輪・・・そして正に完璧とも言えるほどの容姿・・・
天使・・・
一目でそうだと分かるその者はただただ静かにそこに降り立ったのである
「召喚術か・・・」
白浪はそういいながら忌々しそうにいった
召喚術とは・・・
この世や他の世界の何処かにいる精霊等を、魔方陣を使い呼び出す魔法である。
呼び出された者は呼び出した者と契約し、力を与えたり一緒に戦ってくれたりと心強い味方となってくれるがその前の契約がかなり大変で、戦ったり呼び出した者の要求に応えなければならず、下手をすれば命を落とすことも有るのである。
後一度契約すれば呼び出す時に必要な物(魔力や血、または生け贄など)を使えばいつでも呼び出せるのである。
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