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「え?・・・」
僕は見た、神代君が魔力を空に飛ばし召喚術を使ったのを・・・
でも呼び出されたのは・・・
「天使・・・・?」
そう、それは天使だった・・・
しかも天使は羽の数で強さが決まる、そして神代くんの呼び出した天使の羽は四枚・・・
「あの天使ってもしかして・・・」
「むう・・・あれは恐らく天界の頂点に君臨する神の側近が一人、大天使セラフィでござるな・・・」
淡々とそういって才蔵君はそういいながら何処から出したか分からないがお茶をすすっていた
お茶って・・・・・
軽く唖然としながら僕は神代君がどうするのかをただ見守るしかなかった
「ふん・・・我をその天使で始末しようというのか?」
もう抵抗する気がないのか白浪は人化を解き、元の狼の姿になって地面に倒れ込んでいた
「お久しぶりです神代さん」
「おう!久しぶりだなセラフィ」
しかし神代は白浪の話は無視し呑気に挨拶をしていた
「お前は我の話を聞いていたのか?」
軽く怒気をはらんだ声で白浪は神代にすごむ
「別に止めを指すために呼んだんじゃねえよ。セラフィ・・・悪いが回復を頼む」
そういった神代は白浪に指を指しながらセラフィに頼んだ
「わかりました」
そういってセラフィは静かに歌い出した
天使の歌はそれ自体が魔法であり、歌の種類や歌い手の強さによって効果や威力が変わるのである。
今セラフィが歌っているのは怪我や病気を回復する歌で、この世界では【いたわりの讃美歌】という題名である(天界では天界の言葉でちゃんと題名がある)
何処までも透明感のある歌声と共に溢れる魔力が周りに生命力を蘇らせるその歌は、白浪の負った瀕死の傷を瞬く間に消し去る
白浪はその歌の凄さに軽く驚いたが
「何の真似だ?」
と怪訝な表情で神代を睨み付けた
「いやこれから仲間になる奴に何時までも痛い思いをさせとくわけにはいかんだろ?」
と飄々といった神代は
「じゃあセラフィありがとな!後で上手いもん食わしてやるよ」
と自分の傷も治してくれたセラフィに礼をいった
「ふふふ、わかりました。ご飯楽しみにしていますね」
と文字通り天使の微笑みをこちらに向けながらセラフィは光となって消えてしまったのであった
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