ー友ー

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シャワーを浴びて、体を洗う ふとももがぬるつく 「気持ち悪い…」 体が赤くなるまで、洗い続けた これから、何十回、何百回、旦那様に… でも、私達はここに居るから生きていける ここを追い出されたら、もう死ぬのを待つしかない まだ乾ききってない髪のままで、翔の家を目指す 「翔!」 『夜魅、いらっしゃい』 「こんにちは」 『髪が濡れてる』 「シャワー浴びてきたから」 『風邪ひかないようにね』 胡月… 胡月は… 『胡月を捜してるの?』 「あっ…」 『多分、いると思うよ』 そう言って、胡月を呼びに行ってくれた しばらくして、翔と胡月がやってきた 「こんにちは」 「こんにちは」 『んじゃ、俺は中にいるよ』 そう言って、部屋の中に行ってしまった 初めて、胡月と二人きりになれた 「何かあったのか?」 突然言われて少しびっくりした 「いえ…何も」 「そうか」 あれ? 胡月に声をかけられただけで、涙が溢れてきた さっきの旦那様との事が頭に浮かぶ いやだ! あんな事は考えたくない 「やはり何かあったのか?」 私は、胡月に話してみようと思った 「私、旦那様の玩具なんです」 「玩具?」 「はい…」 胡月は何かを考えているみたいだった 「夜魅」 「はい」 「俺は何も言える立場ではないが…女の子なんだから、もっと体を大切にしろ」 えっ? 知ってたの? 私が女性だと… 「胡月…いつから知ってたの?」 「2回目に会った時だ」 「そんな…」 「知らないのは翔だけだ」 「分かっていて、気付かないふりを」 「実際、お前が男でも女でも関係ないが」 「帰り…ます」 何だか、凄くショックだった そう、私は女… そして、対立する者…
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