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『もう!彩月、いい加減に離れろ』
「やだ」
『和海に見られても知らないからな』
「見られたら…困る?」
彩月がまた真顔になって、聞く
『当たり前だろ?それに、お前達は親友じゃん』
「だから?」
『だから?って…』
彩月は冗談なのか、本気なのかがわからない
『だから~、俺は和海が好きなの』
「今は…だろ?」
『これからも!』
「そっか…」
やっと、わかってくれた
「じゃ、必ず俺の方に振り向かせてやる」
わかってねぇ…(泣)
『だから~…』
「もう、絶対死なせないから…」
『えっ?』
「次は、俺が必ず守るから」
急にどうしたんだ?
『彩月?』
『彩月!!』
「あっ…ごめん」
『大丈夫?』
様子が何だかおかしい
「翔…」
また、抱き着いてきた
『ちょ、彩月!』
「お願い…少しだけ、少しだけ抱きしめて…」
『えっ?』
泣いてる…?
まさか…
でも、肩が震えてる
『彩月…どうしたの?』
「少しだけ…」
よくわからないけど、俺は彩月を抱きしめた
彩月は顔を見せてくれない
『大丈夫?』
しばらく抱きしめていた
「翔…お前、ホントに騙されやすいな」
『なっ!』
「フッ」
『ひでぇ!ホントに心配したのに』
「ごめんごめん」
そう言って笑う彩月
でも
目が赤かったのは
どうして?
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