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みんながリビングで話をしている
「翔、元気ないな」
彩月が心配そうに言う
『うん、和海が帰って来ない…』
「もうすぐ帰るだろ?」
『かな…』
(カチャ)
玄関のドアが開く音がした
「なっ?」
『ホントだ!』
立ち上がり、玄関に向かう
『和海、お帰り!………誰?』
「そこで拾った」
『えっ?意味わかんないし』
和海の隣にいる人は誰?
『ねぇ、和海!』
その声でみんながやってきた
「どうした?」
「おい、誰だ?」
紅月が聞いた
「帰るところがないって言うから、連れて来た」
「馬鹿か、お前…」
「銀月…翔が待ってたんだぞ」
「何故?」
『和海とプラネタリウムに行こうと思ってたんだ』
「フッ、そんな約束、まだ覚えてたの?」
誰…ホントに和海なの?
『約束したじゃん!』
「忘れた」
『えっ…?』
「おい!お前いい加減にしろ!」
冬矢が和海に掴みかかる
「忘れただと?ふざけるな!」
『冬矢…やめて』
「しばらくこいつを家に置く…部屋は一緒でいい」
『えっ?』
「お前、翔の前で何言ってるんだ!」
優しい幻月がキレてる
「私の自由だ…それから」
『?』
(カラン…カラン…)
『嘘…どうして…?』
和海の手のひらから落とされたのは
お揃いのリング
何度か跳ね返り、転がっていった
「お前…ふざけるな!」
(ガッ)
彩月が和海の顔を殴る
和海は顔色ひとつ変えずに言った
「その指輪は、重過ぎる…」
『和海…嘘だよね?冗談だろ?』
目の前がクラクラする
「本気だ」
そう言って、和海は知らない人と使われてない部屋に入って行った
気持ち悪い…
「翔…」
フラフラする
「翔、大丈夫か!」
和海…
何でだよ…
「おい、翔!!」
そのまま目の前が
真っ暗になった
和海……
夢だよね……きっとそう
だよ…
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