ー彩ー

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和海… 和海…… プラネタリウムに行くって…約束したよね 和海は約束を破ったりしないよね あっ…指輪… 待って… 転がって行かないで それはとても大切なものなんだ 和海… 『和海!』 「翔、落ち着け…」 彩月が俺を心配そうに見ていた 『彩月…和海は?』 「翔…」 『和海は帰ってきた?』 「翔…しっかりしろ」 『夢じゃないの?ねぇ、彩月…夢だよね?』 「翔…」 『嘘だって言ってよ!あれは和海の冗談だって…言ってよ…いってよ…』 「冗談なんかじゃないんだ…」 『指輪…指輪を探さなきゃ』 「翔!」 探さなきゃ… 早く 探さなきゃ… 部屋を出て、玄関に向かう 和海のてのひらから落ちた指輪は… こっちに転がって… ない ないよ… ないないない! どこ? あれ?どうしたんだろ 目の前がよく見えないや だから見つからないんだ そう…みつからないのは 勝手に流れ落ちる涙のせい 『ううっ…うっ、うっ…ないんだ…うっっ…』 その場に座り込み、床を何度も叩きながら泣いた 手がぬるついてる でもそんな痛さより 心が痛い 「もうやめろ!」 彩月に腕を掴まれた 『ないんだ…』 「もう…やめてくれ…見ていられない」 彩月は俺を強く抱きしめながら泣いていた 『彩月…』 「俺が居るから…お前が元気になるまで傍にいるから…もう、泣かないでくれ…」 元気になんかなれる訳がないよ だって…俺はもう 片翼を失ってしまったんだから もう 死んでもいいよ 生きている事が 辛いんだ…
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