4055人が本棚に入れています
本棚に追加
朝のリビングは、静まり返っていた
みんな無言で、翔の部屋を時折見つめ、溜息をつく
「銀月はいつまで、あいつを置いておくつもり?」
幻月が言う
「私…嫌です…仲間以外の人と…それも誰だかわからないような人と住むなんて」
「このまま…みんなバラバラになったりしないよね?」
燕羽は泣きそうな顔で言う
「よし、取りあえず朝食にしよう!」
幻月が言う
「お~い!翔、早く降りて来いよ!」
「ちょっと!幻月、何してるの?」
紅蝶が慌てて言う
「てかさ…みんなが暗くなってどうするんだよ?大丈夫?元気になって?って言えばなれるものじゃないだろ…普通にしてやるのが1番だと思う」
「確かにな…翔が自分で乗り越えるしかないんだ」
胡月も言った
「まぁな…普通にしているのが1番いいのかもな」
紅月も静かに言う
「紅月、あなたお医者さんなんだから、何か薬だしてよ!」
「紅蝶…無理言うな」
それを聞いて、その場の空気が少しだけ和む
「よし、みんないつも通りで行くぞ」
幻月が元気に言う
みんなは頷く
「翔!早くしないと食べちゃうぞ!」
後は、待つしかない
出て来て欲しいとみんなは願う
「来るかな?」
「彩月がついてるし、連れてくるだろ」
幻月と胡月が話をする
「彩月は…本気なの?」
「だな」
「そっか…俺はさ、翔が元気になるなら、応援するよ」
「ああ」
「私も…彩月なら翔を任せてもいい」
「俺も…彩月は強いし翔を守ってくれる」
「俺は…翔にまかせるよ」
冬矢も辛そうだ
ここにいるみんなは、翔が元気にさえなってくれれば いいと願う
翔がこれから先、誰を愛してもみんなは温かく見守ってくれるだろう
しかし、胡月の顔だけは、何故か沈んでいた
最初のコメントを投稿しよう!