ー彩ー

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「もし、翔が俺を受け入れたら…お前のやっている事は無意味だな」 「お前…」 「無駄だよ…無理矢理彩月と翔を引っ付けようとするつもりなら、俺は全力で蹴散らしてやる」 「いい加減にしてくれ」 「言いたいのはそれだけだ」 「胡月…」 「必ず翔をもらう」 そう言い残し、胡月は去って行った 「馬鹿な…」 もし本当に翔が胡月を愛したら… 俺のやっている事は何なんだ? 幻月と別れて中国だと? でも、胡月ならやり兼ねない まさかそんな落とし穴があったなんて、考えてもいなかった 俺は何がしたいんだ… まだ、翔に未練があるのか? 忘れるつもりなら、気にする必要はない しかし… 俺は彩月の為に翔を手放した これじゃあ意味がない ここまで芝居を続けてきたのに… 胡月には渡す事は出来ない しかし… 今更どうしようもない イラつきだけが体を支配する 頭を抱え込み目を閉じる 胡月… やめてくれ… やめてくれ…
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